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判例 9
本部と加盟店間の信頼関係破壊行為が契約解除の理由として認められたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1791号・1798号より)
1審平成13年6月28日
2審平成14年5月23日
1審名古屋地裁平10(ワ)744号
2審名古屋高裁平13(ネ)914号
加盟店が本部に抗議するために、経営手法を批判する雑誌記事等を店内の「コンビニ情報」板に掲示した場合、当事者間の信頼関係が破壊されたとして、フランチャイズ契約の解除が認められた事例
この判例から学ぶ
1.この事例は第1審は解除無効、第2審は解除有効と判断が分かれていることに興味がある。フランチャイズ事業においては、本部と加盟店間の信頼関係の維持が特に重視される点においては誰も異論はないであろうが、なぜ加盟店が「コンビニ情報」を掲載するに至ったかをつき詰めると、本件の判決については意見が分かれるところであろう。
2.「コンビニ情報」とは、加盟店が開店後予想した売上げがない等を理由に本部に改善を要求したが、指導援助が得られなかったために店舗内に掲示板を掲げ、ここに本部の不公正な取引実態に関する新聞記事やコンビニ業界の体質に関する新聞・雑誌記事を掲示したことを言う。
3.これに対して、本部は掲示の撤去を求めたが加盟店が掲示を継続したために、フランチャイズ契約の解除を行ったものである。
4.1審の解除無効の判決理由としては、(1)掲載記事の内容は公表されたもので必ずしも根拠のないものではない、(2)コンビニ問題が社会問題化しており当裁判所にも顕著な事実であり、加盟店も無理からぬものがある、(3)店舗の売上げには影響が出ていない上に、本部の店舗展開に影響が出ていると認める証拠がない、(4)よって本部のイメージを毀損したとまで認めることは出来ない等々で、契約解除という究極のペナルティーを課するのは許されないとした。
5.逆に2審の解除有効の判決理由としては、(1)企業は顧客に上質で均質な商品の提供を行い、長期的に良いイメージを持ってもらうことが重要であり、売上げに影響がなかったからと言って直ちに企業イメージに対する毀損がなかったとはいえない、(2)本部は加盟店に対して「コンビニ情報」の掲示中止を再三にわたり要請したのにも拘わらず、これを中止しなかったのは当事者間に信頼関係が破壊された事実があったことになる、(3)加盟店の売上金の未送金があるが、本部はこれも入金催告をしているが、これは契約解除に対する抗議である事実があり、そうするとこの面でも当事者間の信頼関係は破壊されていると見られる、としている。
6.上記の通り、2審は契約解除の正当性を当事者間の信頼関係の破壊の事実に求めている。但し、解約通知後に本部が行った閉店作業として、加盟店の占有する店舗設備・在庫品・レジスター内現金を取得したことは、本部が法的手段を経ないで自力救済により権利を実行することに他ならず、やむを得ない特別の事情がある場合を除いて違法としている点は、注意を要する。
資料出所;判例時報社発行の「判例時報の1791、1798号
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