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判例 5
加盟店が経営に行き詰ったのは本部が売上予測を開示しなかったからだとしたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1774号より)
平成13年5月18日 名古屋地裁平10(ワ)2968号 フランチャイズ契約に際してフランチャイザーに加盟店に対する情報提供義務違反があるとして不法行為及び契約締結上の過失による損害賠償責任が認められた事例
この判例から学ぶ
1.原告のコンビニ加盟店が開業後一度も日商20万円に達せず経営に行き詰まったのは、本部が的確に売上を予測し、加盟店に開示しなかったからだとした事例である。
2.本部の本店舗の開業前の売上予測は、かなり楽観的ないし強気の予想を立てており、杜撰(裁判所の表現による)であった。しかも本部は予測した店舗の日商売上予測値を加盟店に開示もしていないので、不正確な売上予測をして店舗を開発し、契約締結前に正確な判断の前提となる資料を加盟店に提供しなかった点は、社会通念上違法であり、本部はこの点について不法行為責任を免れないとした。
3.また、加盟店側も売上予測について説明を求めなかったし、自らも調査しなかった。但し、既存店舗に出向き売上げを聞いてはいるが、「この既存店の売上げについては本部は口止めをした」という言葉の有無も争点になっており、ここには複雑な事情があったようだ。
4.但し、中小小売商業振興法が要請する法定開示事項の中には売上予測の開示は含まれていない。だが本部内での店舗開発手続きや稟議決裁手続きにおいては、加盟店へ開示するしないは別にして、綿密な調査を行うものである。この場合、加盟希望者へ売上予測を開示する場合には、正しい情報とデータに基づき客観的で合理的な計算方法で予測することが要求される。本件では、単に売上予測を加盟店へ開示しなかったことが問われているのではなく、本部社内では杜撰な調査しかしないで加盟店の開発を行ったことが、加盟店に対する情報提供義務違反として問われている。
5.売上・収益予測は、その性質上保証出来るものではない。従って、加盟店側も経営の基礎となる売上については、自ら立地に何度も出向いて調べ納得するという事業主としての真摯な経営態度と責任が要求される。これが欠如していたので裁判所は加盟店に対して過失相殺4割を申し渡している。
資料出所;判例時報社発行の判例時報1774号
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