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判例 3
本部の売上・収益予測に合理性を欠いたために損害賠償があるとされたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています.。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1773号より)
1審平成12年9月21日
2審平成13年4月10日
1審福岡地裁平10(ワ)3208号
2審福岡高裁平12(ネ)1041号・1163号
サンドイッチ店のフランチャイズ契約を締結するに当たり本部が加盟店に提供した予測売上高及び予測営業利益は合理性を有せず、そのため加盟店が損害を被った場合に、本部は損害を賠償すべき義務があるとされた事例(控訴審も1審を支持)(過失相殺有り)
この判例から学ぶ
1.本件の本部が行った売上高予測のベースにした(1)商圏人口の把握、(2)マーケットサイズ、(3)周辺の競合見込み店舗及び類似業績店舗の状況把握、(4)シェアーなどは、本部の指導努力と加盟店の営業努力にもかかわらず予想売り上げ高の3分の1にも満たなかった事実と照らし合わせると、合理性を欠いた誤った推論であった、と裁判所は断定した。
2.同様に、予測営業利益も上記の売上高を前提としている限り、合理性を欠いた誤った推論であったとした。
3.興味あるのは、集客率アップの可能性の有無を見極めるための本部の集中指導努力は評価されており、その努力に必要な時期(3ヶ月)の経過後の損失は、フランチャイジーの覚悟の上での損失とされた点である。
4.この判決では、加盟店側に実に8割の過失相殺が行われている。その根拠は、次の通り。
(1)加盟店は事業や経営に知識や経験を有した法人であったこと。
(2)この法人は経営コンサルタントの立会いを得てフランチャイズ方式による事業について、知識や経験を補う手段を有していたこと。
(3)会社の至近距離に店舗物件がありながら、自ら本部の説明内容を検証しようとしなかったこと。
これらの理由で裁判所は過失相殺を行っている。
5.フランチャイズ事業においては、加盟店の事業主としての真摯な経営態度と責任の欠如を理由に裁判所が過失相殺を行う例は、本サイトの「判例研究」において何度も紹介している通りである。理由にはさまざまなものがあるが、本件の上記4.に挙げた過失相殺の理由は、加盟店にとっては参考になるはずだ。そして、加盟店の営業不振が表面化した際に本部がとるべき対策にもいろいろあるが、本件の集客率アップの可能性の有無を見極めるための本部の3か月の集中指導努力もそのうちの一つで、これは裁判所にも認められており、本部の不振店対策の参考になる。
資料出所;判例時報社発行の判例時報1773号
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