フランチャイズ情報提供サイト

フランチャイズ情報提供サイト
 ←トップページへ戻る
←判例研究索引へ戻る
判例 2
本部の売上査定の競合店評価に問題があったケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1704号より)
1審平成10年10月30日
2審平成11年10月28日
1審東京地裁平8(ワ)109号
2審東京高裁平11(ネ)77号
クリーニング店のフランチャイズ契約を締結したフランチャイジーがフランチャイザーに対してした保護義務違反(不正確な情報の提供)による損害賠償請求が容認された事例(過失相殺7割)
この判例から学ぶ
1.クリーニング店の加盟店が業績が上がらず、わずか9ケ月で閉店したのは、本部の売上査定に問題があったとして、本部に損害賠償請求を行った。1審は請求が却下されたが、逆に控訴審では加盟店の訴え(フランチャイザーの保護義務違反)が認められた。2審は高等裁判所の判例として重みがある。
2.このクリーニング店はユニット式によるドライクリーニングの1時間仕上げのクイックサービスが最大の特徴で、1次商圏内にあるクリーニング店(11店の内ユニット店は2店のみで残りは取次店)は、本部の売上査定では、競合相手にはならないとしていた。ところが、実際はそのサービスの差はそれほど顕著でなく、本部の出した売上査定は、競合店についての判断を間違ったものであり、契約に先立って加盟店へ示した情報が客観的かつ的確な情報でなかったことを裁判所は認めた。
3.本件は、加盟店側に7割の過失相殺が行われており、その理由は(1)本部の売上査定が的確かどうか疑問を抱かなかった(現に国民金融公庫からは立地条件が悪いからと融資を断られている)、(2)多額の開業資金を投下する者としては、本部の言動に寄りかかりすぎた軽率な面があった、(3)加盟店は開業・契約前は多少の不安を持っていたが、営業不振の場合は本部への営業移管の約束までするといわれ契約に至ったもので、開業後は一向に営業状態が好転しないので、本部への営業移管を薦められたがこれに応じなかった、等々である。
4.このケースで損害賠償請求として認められたものには、どのような出費項目があるか、下記に参考になるので列挙しておく。
(1)ドライ機等のリース料(中途解約時の未経過リース料を含む);損害として認める。
(2)全自動洗濯機;必要として購入したかどうか不明故、損害として認めない。
(3)ファクシミリ;損害として認める。
(4)ロッカー及び棚;損害として認める。
(5)LEDディスプレー(電飾看板)のリース料;購入時期は営業に必要なものとは認められず、かつ本部の指導によるものでないので、損害として認めない。
(6)タイムレコーダー;購入時期は営業に必要なものとは認められず、かつ本部の指導によるものでないので損害として認めない。
(7)保険所届出手数料;損害として認める。
(8)賃料;売上に直接対応する必要経費で、損害として認める。
(9)店舗造作原状回復費用;損害として認める。
(10)店舗賃貸保証金償却;損害として認める。
(11)店舗賃貸仲介手数料;損害として認める。
(12)ファイナンス利息額;一部損害として認める。
(13)担保権設定手数料;リース契約に伴うもので、損害として認める。
(14)慰謝料;加盟店が被った苦痛が、財産的な賠償によっては慰謝されない程度のものであったと認めるに足りないから、慰謝料請求は認めることが出来ない。
5.その他本件では、本部は加盟店から営業不振の相談を受けた際に2百万円程の貸し金を与えているが、これは損害賠償の一部補填として支払われたものとして、裁判所は加盟店の損害額から控除することを認めている。この点も実務上参考になるであろう。
資料出所;判例時報社発行の判例時報1704号
←トップページへ戻る←判例研究索引へ戻る↑このページの先頭へ戻る