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判例 15
売上不振による赤字の状態にある加盟店に対して、本部は1年半の貸付金残高の支払い請求訴訟を起こした。これに対して、加盟店は本部の背信行為を理由に契約を解除し、損害賠償の反訴を起こしたが排斥されたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1484号より)
平成5年5月31日 東京地裁平2(ワ)12367号(本訴)、平3(ワ)18029号(反訴) フランチャイズ契約について、加盟店から本部に対する損害賠償請求が排斥された事例
この判例から学ぶ
1.契約時にコンビニ本部が予測した引出し金送金額(加盟店の利益)は月間50万であったが、実際は日商が20万円の半ばから30万円しかいかなかったために加盟店への累積融資額が増大していった。このような状況の中で、一年半後に加盟店は契約解除を行った。これに対して、本部は解約金(チャージの4カ月分)を含めオープンアカウント制による残高を支払うように加盟店に対して訴訟を起こした。
2.加盟店は、解約は本部の背信行為によるもので、逆に予想通りの収益をあげられなかたことに対して、損害賠償請求の反訴を起こしたが、裁判所はこれを排斥した。
3.裁判所の判断は次の通りである。予想収益については、あくまでモデルを表わしたものであり、一般消費者を相手にする小売業は売上高を「保証」できるものではない。加盟店のオーナーは他に事業を行っており、これはよくありがちな本部のセールストークで、経験的な予測値に過ぎないことは十分理解できたはずである。当該店舗は、加盟店の解約後に本部の直営店として経営に入った後は、競合店の閉鎖があったことを割り引いても、売上高は30万円台後半から40万円前後に上昇している。従って、売上高については、加盟店の品揃え不足と経営努力の消極性が影響したものと思われる。
4.本部のスーパーバイジングについても、週一回のブロック会議は開催されており、本部からの情報提供は行われていたと認められる。巡回頻度と店舗チェックについても、加盟店のオーナーが店舗にいる時間が少なかったことを考慮すると、加盟店が指摘する以上に、巡回チェックは行われていたと見られる。
5.さらに加盟店は、本部には契約締結に当たり、契約締結店舗数、閉店数、平均日販金額等の情報を提供すべき義務があったことを指摘するが、このような情報の提供は閉店数が非常に多いような場合は契約を慎重ならしめる効果があるだろうが、それ以上のものではない、と裁判所は判断した。
6.しかしながら、上記5の契約締結店舗数の推移、閉店数については、トラブルが多いのを踏まえて、中小小売商業振興法が平成14年に改訂され、開示項目として追加されている。この裁判の時点(平成2年現在)では、開示事項の中に含まれていなかったことは、加盟店にとっては気の毒であったと言える。
7.加盟店は、生命保険にも無理に加盟させられたとし、これは本部の不法行為として裁判所も認めるところとなった。以上のような理由で、本部には他に不法行為と呼べるほどのものはなく、従って加盟店の契約解除は無効とし、本部の本訴請求は理由があるとした。
8.この契約の保証金は50万円であるが、追加で300万円を本部は加盟店から徴収している。本部は、自ら確保した店舗を加盟店に使用させる場合、保証金と賃料の高低差を調整するものとしているが、裁判所は合理性を欠くものではない、と判断を下している。詳細は省略する。
9.本件のような開業後の売上高と収益予測未達を争う裁判においては、加盟店が勝訴するのは難しい。実にさまざまな外的・内的要因が売上高と収益に影響を与えるからであり、加盟店がそれを立証し主張するのには困難が伴うからだ。
資料出所;判例時報社発行の「判例時報の1484号
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