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判例 12
解約一時金の支払いが公序良俗に反するとされたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1591号より)
1審平成6年4月28日
2審平成7年2月27日
1審浦和地裁平3(ワ)457号
2審東京高裁平6(ネ)2280号・4336号
1.フランチャイズ契約において、加盟店側から解約する場合には本部に500万円の解約一時金を支払わなければならないとの定めが公序良俗に違反するとされた事例
2.フランチャイズ契約解消後にサービスマーク等を表示した看板が残存していたことをもって、撤去義務違反とは認められないとされた事例
この判例から学ぶ
1.本件本部はクリーニング店のフランチャイズチェーンを主宰している。当初は業者組合でボランタリーチェーン本部であったが、株式会社組織に改めると同時に、契約を「会員規約」から「フランチャイズ契約」に改め、チェーンの「会員」は「加盟店」になっている。
2.本件加盟店は上記の「会員」になるべく、複数店の取次店の開設も条件に、8000万円の資金をかけて工場建設をしている最中に、フランチャイズ契約を提示されて、加盟店になった。提示されたフランチャイズ契約に多少不満や疑義があったとしても、すでに工場建設中でもあるので、契約に調印せざるを得なかったという経緯がある。
3.加盟店は、工場を建設し、取次店を5店開拓したが、赤字から脱却できずに、2年間の期間満了による解約の申し出をしたところ、本部から500万円の解約一時金の支払い請求を受けて、訴訟に持ち込み1審、2審共に加盟店が勝訴したものである。
4.本部が解約一時金の支払い請求を行った理由については、実質的には入会金やロイヤリティーが低額であること、解約後の競合避止義務がないこと、ノウハウ利用にたいする対価であること、そしてこれらの「後払い」の側面を有していることなどがその理由であると主張した。
5.これに対して裁判所は、営業の自由や経済活動の自由(一定の取引関係からの離脱も含む)に対する制裁は、「社会的良識や正常な商習慣に照らして合理的に必要な範囲に留められるべきで、この限度を越えた場合には、公序良俗に反して無効とされることもあり得る」とした。
6.さらに、期間満了による会員規約の終了の際も本部の承諾が要る(合意解約のみ)というのでは、期間の定め(2年間、その後自動的に2年間更新)は無意味となり、理論的には永久に会員を会員規約に縛りつけるための強制手段となてしまう。これは近代契約法理論に背反することである。契約は自由でなくてはならず、不当に契約に縛りつけられることからの自由も保障されるべきであるとした。
7.既に述べた通り、契約は最初は会員規約であり、これには解約一時金の定めはなく、途中でフランチャイズ契約に切り替えられても工場建設中であった加盟店にとっては承諾せざるを得ず、この点でも解約一時金の性格は曖昧であった。
8.加盟店の解約一時金の支払い義務については、よくトラブルの原因になる。これを定める時には、フランチャイズ契約上その意味と内容を明確にしておくことは当然であるが、その有効性については、本件判例が的確に判断基準を示しているのでとり上げた。
9.加盟店の経営については、1工場20店の取次ぎ店が必要とされたが、これが契約期間2年で未達で赤字であったという点は、争われていないが元々この面でも無理があったように推測される。
10.尚、本件では加盟店に契約終了後の競合避止義務はなかったが、看板等の原状回復は、争われており、基本的には加盟店は看板等全てを撤去してこの面での義務違反はなかったとされる。しかしながら、サービスマーク(標語の一部)に未撤去があったために、裁判所は30万円の違約金の支払いを加盟店に命じている点は実務上参考になるだろう。
資料出所;判例時報社発行の「判例時報の1591号
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