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判例 11
契約解除後の競業避止義務違反の違約金が高額過ぎると減額されたケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1665号より)
1審平成9年8月4日
2審平成10年6月17日
1審大阪地裁平8(ワ)401号
2審大阪高裁平9(ネ)2402号
クリーニングの取次店契約解除後の、競業避止義務違反に対する違約金が高額に過ぎるとして、その一部が公序良俗違反により無効とされた事例
この判例から学ぶ
1.この判例のケースは、フランチャイズ契約ではなく、クリーニングの取次業務委託契約であるが、契約解除後の競業避止義務違反と違約金の額の正当性を争っており、実務上大変参考になるのでとり上げた。
2.契約解除後の競合避止義務については、裁判になった場合でも、フランチャイズ本部側に有利な判決が下るケースが多い。但し、内容的には本件のように、違約金は高過ぎ公序良俗に違反するとされるケースもある。尚、営業場所、前クリーニング業者の営業痕跡の撤去、期間1年等は争点にはなっていない。
3.取次店は主婦で、契約中のクリーニング業者のミスで度々顧客からクレームの申し出に嫌気がさし、手数料率が良い(25%→30%にアップする)別の業者と契約を結び競業を行ったのが、競業避止義務違反に問われたものである。
4.本件契約では、競業禁止条項に違反した場合は、過去3か月間の平均売上高の12か月分の違約金支払い義務を定めていた。これによると、1年間の売上高は、手数料が25%なので、4年間に受領できる手数料以上の金額の違約金を課すことを意味し、著しく高額で過酷な違約金特約で、公序良俗違反とみなされ、2か月分(別の業者と契約して営業した競業期間に相当)が妥当と減額された。
5.裁判では、取次ぎ店が競合避止義務に違反した場合に蒙るであろうクリーニング業者の損害には次のようなものがあるとしている。(1)当該取次店を通じてあげていた収益の損失による損害、(2)客やノウハウの流失による損害、(3)信用を傷つけられることによる損害(顧客に前業者の悪口を言う等)、(4)顧客が新事業者を旧業者と混同することによる損害(新業者が悪徳業者の場合はなおさらである)、(5)新たに取次店を獲得するために要する経費相当額、等々である。これらは、競業避止義務の根拠になるとしている。
6.本ケースには、もう一つ争点がある。主婦の側は、法定解除の場合には解除の効果が遡及し、本件委託契約が最初から消滅するので違約金条項も効力を生じないと主張した。これに対して、裁判所は本件契約のように継続的契約関係の解除は、その効果は遡及せず、将来に向かってのみその効力は生ずるので、違約金条項は有効であるとした。
7.主婦が本件契約を破棄した理由に、クリーニング業者が顧客のクレーム処理について迅速に対応しなかったために不信感を募らせたことが挙げられる。判例ではクレーム対応の不手際の例が3例も挙げられているが、主婦でなくとも、いずれも業者側の対応に不信感を抱く内容のものばかりである。しかしながら、取次業務委託契約の解約の如何に拘わらず、競合避止義務条項は有効であり、主婦が支払った違反による損害賠償金は、減額されたとはいえ132万9、096円であった。
8.零細店舗の主婦が、競合避止義務条項の存在についてどの程度知っていたかは、1審の経過も含め判例時報では不明である。クリーニング業界は競争が厳しく、30%の手数料で契約した新しいクリーニング業者は、わずか2か月間の契約期間であったが、どうだったのかこれも不明である。法適用の厳しさを感じさせるケースである。
資料出所;判例時報社発行の「判例時報の1665号
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