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判例 1
本部のフランチャイズ・システムに欠陥があったために加盟店が営業停止になったケース
実務を担当する者が判例から何を学ぶかを解説しています。
【判例】
判決日 裁判所 判例内容(判例時報1711号より)
平成11年10月27日 東京地裁平6(ワ)4911号 酒類・医薬品の販売に関するフランチャイズ契約において定められた販売システムが酒税法及び薬事法に違反することが判明し、フランチャイジーが営業を停止した場合に、フランチャイザーにおいて右販売システムが法規に適合するか否か説明し、事業に参加させる義務を怠った過失があるとして損害賠償請求が認容された事例(過失相殺5割)
この判例から学ぶ
1.加盟店はコンビニエンス・ストアーを経営する会社であるが、宅配による酒類及び医薬品のフランチャイズ販売システムを主宰していた会社の間で、加盟店が商品を貯蔵する倉庫を確保し、顧客が本部に商品を注文し、加盟店が商品の配達・代金受領などをすることを内容とする商品販売業務委託契約を締結した。(契約は販売委託契約又は代理店契約のようだが、本部は宅配フランチャイズ販売システムを考案したとされている)
2.ところが、加盟店側は無免許で酒類販売の代理業を営む点で酒税法に、同じく医薬品を販売を目的として貯蔵する点で薬事法に違反するものとされ、営業を停止せざるを得なくなった。
3.そこで、加盟店は本部を相手取り、フランチャイズシステムが法規に違反している疑いがあることを充分に説明する注意義務があったのにも拘わらず、これを怠った点において不法行為責任を負うとして訴え勝訴した。
4.本システムがフランチャイズと呼ぶにふさわしい内容を持っているかどうかはさておいて、フランチャイズ契約の本質的内容である販売システムそのものの適法性が問題になっている点に特徴がある。
5.判決は、近年新しい発想で事業を行うベンチャー企業がわが国の経済を活性化し有益な事業として成立する余地もあるので、営業が行政法規に違反するとしても、それ自体をもって不法行為上違法であるということは一概に言えないが、第三者を事業に誘うには、行政法規に触れる可能性を持っていることを充分に説明して、自己責任において判断させる義務があるとしている。
6.しかしながら、酒税法や薬事法のような業法は、フランチャイズ契約に優先するものであるので、いやしくもフランチャイズを主宰する本部が業法に抵触する恐れがあるような事業をフランチャイズ化することにも問題があると思われる。普通、業法については本部が入念にチェックし、加盟店は本部の指導に従って営業を行うものである。従って、下記の過失相殺の(1)については、本部が自己のシステムを宅配フランチャイズ販売システムと称するなら、加盟店にとってはやや厳し過ぎるような気がする。
7.このケースは加盟店に5割の過失相殺を認めている。その理由は、(1)加盟店はコンビニエンス・ストアーを営む株式会社であり、新規事業に参入する時には、システムの適合性を自分で調査が出来たはずである、(2)本部は加盟店よりも強い立場にあるのが普通であるが、加盟店も本部も会社の規模はほほ同じであること、(3)加盟申し込みは、加盟店の方から積極的に行ったこと、等がその理由となっている。
8.各種規制緩和の動きの中で、起業家によるベンチャービジネスの立ち上げが今後盛んになると思われるが、フランチャイズ・パッケージの構築という面で、システム上欠陥がないように本部が留意すべきことは何か、本ケースは参考になるだろう。
資料出所;判例時報社発行の判例時報1711号
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