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書籍の紹介 フランチャイズチェーン
本28
ここでは、フランチャイズやチェーンストアーに関連した書籍で、このサイトの開設者が内容を確認の上、特にお薦めに値するものを紹介しております。
フランチャイズチェーンス 副題:流通革命の新しい担い手
著者:トーマス・サカモト
発行者:佐久間 央
発行所:日本経済新聞社
発行:1973年(昭和48年)2月
価格:定価 700円
B6判・219頁
書 評
★昭和46年(1971年)5月から同47年7月までの1年2カ月、著者が日経流通新聞に連載した「フランチャイズ入門」というコラムを新たな視点から再編集し、単行本にしたのが本書である。すでに入手困難になっているが、本書で著者が語るフランチャイズの原理・原則は、少しも色あせていないのでここで紹介したい。
★著者は、1926年米国生まれの日系アメリカ人二世で、著名な経営コンサルタントである。カリフォルニア大学で新聞学を学び、共同通信社記者などの経歴を持つ。1963年にロサンゼルスのコーリンズ・フード・インターナショナル社に入社、同社のケンタッキー・フライド・チキン部門を担当した。1970年3月同チェーンの日本上陸に際し、同社から派遣されて来日し、経営コンサルタントとして独立されたが、残念なことにすでに鬼籍に入られている。
★私は、昭和51年7月にJFAと商業界共催の「米国フランチャイズ・システム研修セミナー」に参加したが、このときのコーディネーターをつとめられたのが、本書の著者であるトーマス・サカモト氏であった。氏の紹介で、ワシントンのIFA本部(国際フランチャイズ協会)、シカゴのマクドナルド本社、ダラスのセブンイレブン本社(日本進出前)などを訪問したが、氏の堅実で緻密な理論と実務経験、そして米国での多彩な人脈に驚かされた経験を持つ。
★本書では米国の豊富な事例を交え、フランチャイズの起源と定義、種類、メリット&デメリット、本部の立ち上げ、加盟店運営と組織、スーパーバイジング、立地の選択、加盟店の心構え、加盟店募集、教育、店舗オペレーション、契約、法規制、ADRなど、フランチャイズ事業に関する全てが語られている。さらに、本部組織図、開店までの予定表、売上日報、営業分析表、出店候補地調査報告書、トレーニング・スケジュール、SV作業表、ロイヤリティー報告書、契約書などの例や雛形が実践的に紹介されており、現在でも役に立ち学ぶべき点は多い。
★著者の視点は、副題が「流通革命の新しい担い手」となっているように、フランチャイズを販路拡大のための流通の仕組みとしてとらえている点にある。チェーンストアー理論、マス(多量)の理論、規模の利益、ユニフォーマティ(標準化)などの考え方が、著者のフランチャイズ理論の根底にある。著者は「フランチャイジングは、単に商標とか地域営業独占権の売買ではない。むしろ永続的な商業関係と解釈した方が正しい。商関係が永続する以上そこには、メリットもあればデメリットも生じてくる」、また「フランチャイズ契約には厳密な意味でテキスト(教材)はありえない」と述べている。実務経験が豊富な著者らしい表現である。本書は30年以上も前に書かれたものであるが、この言葉が意味するところのものは、今でも変わらない。
★本書が発行された昭和48年(1973年)の日本のフランチャイズ業界規模は、本書では本部企業120社、内50社の売上1、455億円、加盟店数2万682店と紹介されている。30年後の現在ではどうか。JFAの2005年度の調査では、順に1,146チェーン、19兆3,880億円、23万4,400店となっている。驚異的な伸びである。IT革命、国際化、モータリゼーション化の波、創業・起業意欲の高まりなどが、この30年の間に予想以上にフランチャイズ業界に対して追い風になったからであろう。
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