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書籍の紹介 フランチャイジング
原題:FRANCHISING IN AMERICA
The Development of a Business Method,1840-1980
本24
ここでは、フランチャイズやチェーンストアーに関連した書籍で、このサイトの開設者が内容を確認の上、特にお薦めに値するものを紹介しております。
フランチャイジング 副題:米国における発展過程
著者:トーマス・S・ディッキー
訳者:河野昭三、小嶌正稔
発行者:松信貞一
発行所:まほろば書房
発行:2002年6月23日
価格:定価 2,300円(税別)
B6判・351頁
FRANCHISING IN AMERICA :THE DEVELOPMENT OF A BUSINESS METHOD,1840-1980 by Thomas S.Dicke.Copyright (C)1992 by the University of North Carolina Press.
書 評
★副題にある通り、アメリカにおけるフランチャイジング(日本ではフランチャイズと呼ぶのが一般的)の発展過程を述べた書である。マコーミック刈取機会社、シンガーミシン社、フォード自動車会社、サン石油社、ハワード・ジョンソン社(レストラン)、ドミノピザ社の5つの企業の販路拡大の歴史を詳細に追い、販売網の組織化が今日、フランチャイズと呼ばれるビジネス手法として完成するに至った経過が語られている。
★本書を読むにあたっては、「訳者あとがき」を先に読むことをおすすめしたい。訳者(共訳)は、フランチャイズに精通した著名な大学教授で、この中で本書の内容や今後の研究課題などが的確に解説されており、本書の内容を理解する際の手助けになるであろう。そして原著者についても歴史学者であることをここで知ることができる。
★上記に挙げたメーカーやサービス提供企業が、1840年台以降卸売ジョバー(wholesale jobber),代理店(agent),特約店(dealer)を通じて販路を拡大して行く過程において、販路が商品フランチャイズへ進化する様子、ジェネリック商品とブランドが結び付き、これに販売する場である店舗が一体化することで、ビジネスフォーマット・フランチャイズへ進化する様子、そしてその背後に流れるアメリカ経済と消費者の大きな変化と時代のうねりが、販路の形成に如何に大きな影響を与えたか、歴史学者らしく詳細に語られている。
★しかし、アメリカにおいて「フランチャイジング」という言葉が辞典、用語集、刊行物などに登場するのは1960年前後である(本書5、6ページ)。早くから財やサービスの流通に携わる企業や人達は、今日フランチャイズと呼ばれるビジネス手法を突然考案したものではないし、意識していたわけでもない。大規模事業者と小規模事業者との信頼関係や協働の体制、時には確執や利害の対立、そしてこれらを調整する法律の介入など、両者の長いかかわり合いの歴史の中からフランチャイズは生まれてきたことが本書を通じて読み取れる。
★日本企業において初めてフランチャイズ・システムを導入したのは、不二家とダスキンで1960年代の初頭である。時折りしもアメリカでフランチャイズ・ブームが起こっている頃である。私は当時不二家で、本書で登場するハワード・ジョンソンレストランのフランチャイズ・システムをその特徴がある店舗デザインを含め、必死に研究した経験がある。研究対象とする企業は違っても、日本の一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)創立当時の会員各社も同じであった。つまり、日本においてはフランチャイズは、ビジネスフォーマット・フランチャイズとしてほぼ完成に近かったものをそのまま導入したと見ることができる。アメリカにおけるようなフランチャイズのシステム形成の長い歴史はない。これは日本のフランチャイズの特徴であると私は考える。とにかくフランチャイズ研究に取り組もうとする人には、本書はお薦めの一冊である。
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